ゴンザレス名無しさんのレビュー一覧
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馴れるまで我慢 [Getchu.comで購入済み]
2013年06月16日 by ゴンザレス名無し さん
●動機以前にプレイしたエウシュリーの『アルケミマイスター』が良かったので、本作も購入。公式サイトを見て、きっと今回も楽しい遊べるエロゲができるはず、と期待。結果から言うと、買って正解でした。
●総評(ADV)
久しぶりに壮大な世界観のゲームをプレイしたな、という感想がまずあります。あまりにも壮大なお話なので、説明が簡単にできません。あえて説明を書くのならば、崩壊しかけた帝国を立て直す国盗り物語と言えましょう。
物語は、ラウルバーシュ大陸中原で、メルキア帝国が凍結してしまったあたりから始まります。主人公のヴァイスは、当初、一介のメルキア将兵に過ぎなかったのですが、ある事件をきっかけにメルキア帝国センタクス領の領主になってしまいます。時代は激動を極め、崩壊する帝国と覇権を競う周辺国々との戦争へ発展します。
戦争の主なテーマは、「兵器」か「魔法」か、雌雄を決したいというもの。「兵器」を選択すると、「正史ルート」(メインルート)へ進み、「魔法」を選択すると、「魔法ルート」へ進み、どちらも選択しないと、「覇王ルート」へ進みます。このゲームは大きく分けて、3つのルートへ分けて展開されます。つまり、3周はゲームを楽しむことができるわけです。なお、ヒロイン個別ENDも数人分ありますが、あくまで大枠のルートを通ったあと、最後におまけで出てくる程度です。この作品は、個々のキャラよりもストーリー全体の流れが重視されている感があります。
この作品のテーマとして、「成長」を挙げることもできましょう。例えば、魔導兵器に過ぎなかったアル(メインヒロイン)が、ヴァイスやリセル(副官のヒロイン)たちと戦乱の世の中を駆け巡ることで、人として成長していく物語があります。あるいは、疲弊したメルキアを立て直したり、周辺国家と戦争したり和解したりするヴァイスの戦いは、彼自身の成長の軌跡とも言えます。
プレイ時間も膨大です。私は、3ルート全てクリアして、全ての個別ENDも見ましたが、プレイ時間は合計100時間を超えていたと思います。プレイヤーによっては、1ルートか2ルートを終えた時点で満腹だ、と言う人もいるでしょう。ですが、レビュワーとしてお勧めしますが、このゲームは全ルート(特に正史)を最後までプレイしましょう。全ルートをクリアしたあと、私が冒頭で述べた「壮大」の意味がわかることでしょう。ここまで壮大なゲームをプレイしたのは、本当に何年ぶりだろう、というのがプレイ後の偽りなき感想です。
●総評(SRPG)
このゲームはSRPGパートもかなりの手ごたえがあり、少なくとも3周は飽きずに遊べます。(難易度調整もあり)人によって評価が最も分かれるのが、戦闘パートですね。自軍と敵軍で3 on 3の軍事バトルをします。なお、待機する友軍は他に7部隊まで連れていけます。ボス戦などでは、表に出ている自軍3部隊対敵軍3部隊、待機している友軍各陣営7部隊で戦います。しかも、画面上で、マウスをクリック、○○○○、ドロップなんかもしながら、リアルタイムで戦闘が進みます。そう、とてもクセのある戦闘パートなんですよね。ここでギブアップしてしまう人もいるようですが、私は最後まで楽しめました。特に正史のラスボス連続戦、ありえないぐらい燃えました。
SRPGですので、戦闘以外のシミュレーションももちろんします。主人公は、センタクスの領主なのですから、国を治めないといけません。また、仲間になって併合した国や戦争の末に勝ち取った国なども同時に治めます。内政パートがあります。街を造ったり、自然を開発したりします。建物、木々、障害物なども次々と建てて領土を○化していきます。この内政の過程を『シムシティ』みたいだと言う人もいます。私は『ロマサガ2』のようにも見えました。ちなみに、あのゲームも、皇帝が国を開発していくお話でしたね。やっぱり、ファンタジーが入ると、『ロマサガ2』の方が、雰囲気が近いかなと思います。
戦闘と内政だけに留まりません。他にも、研究所でのアイテム開発やアルたち魔導巧殻の装備品開発などもあります。この辺は、過去作の『アルケミマイスター』が踏襲されているな、と垣間見えました。ゲームが進むと、魔物同士を掛け合わせて新しい魔物を造るシステムも出てきます。この辺は、『メガテン』ぽいなあ、と思いつつ、○い魔物をじゃんじゃか量産しました。現に魔物系のキャラたちは戦闘でけっこう役立ちます。特に1周目で仲間が少ないときなど役立ちました。
本当に、芸が細かいと言いますか。モブたちにも顔グラやキャラチップなど詳細な設定がありました。しかもモブたちも育てると、戦場ではメインキャラ並みに役立ってくれたりします。アサキムさん(弓のおっさん)、ミアちゃん(初戦からいる破壊工作の子)、ドラゴントゥース先生(竜の骸骨)、魂狩りの魔剣(剣のお化け)とか、愛着ありましたね。
●キャラとヒロイン
何と言っても、主人公ヴァイスを特筆するべきでしょう。このゲームの物語は、男が男になるとはどういうことか、が根底に流れるテーマとも言えます。正史ルートも大変良かったと書きましたが、ヴァイスの性格的には、覇王ルート(ハーレムルート)の方が、ある意味で正史らしいな、とも思いました。ヴァイスは、やるときはやる男なのですが、すごいスケベですから。
ところで、リセル(副官の黒髪の子)とエイダ(ドワーフ系の緑髪の子)、メインヒロインではなかったのですね。パッケージにも主人公の隣で出ていますが。特にリセルは、ゲーム序盤から常に一緒にいたものの、正史ルートではあまり活躍がありません。魔法ルートでは、お父さん元帥(オルファン)との葛藤や個別ENDなど見せ場がありましたけれど。
あと、ゲームの要所の度に入っていたナレーターの声と解説、渋くて好きでした。(声の人は、お父さん元帥と同じ人)
●エロ
ヒロインの種類が実に多様だったのも、このゲームが成功していた要因のひとつとも言えます。ざっと書きますと、副官の人間の子、ドワーフ系統の子、エルフの子、ダークエルフの子、獣人の子、半獣の子、竜人の子、お姫様に女王様、娼館の娼婦たちなど、あらゆるタイプの女の子たちとのエッチシーンがあります。よくこれだけの種類のヒロインとエッチシーンを取りそろえたなと、感心。フルプライスでエロゲやるだけありますね。
しかも、同じヒロインでもルートごとにエッチが違ったりします。大きく分けて「正史(兵器)ルート」が純愛系で、「覇王ルート」が○○系です。(「魔法ルート」は半々ぐらいだったと思います)特にエッチで好きだったのは、三銃士のパティちゃん(飛びナイフの小さい子)、半獣のコロナちゃん(ちょっとおバカな子)、エルフ女王のエルファティシアちゃん(特に声が好き)などですね! このゲーム、抜きゲーではないようですが、色々と使えるゲームだったことはここで断言します。
●今後
『魔導巧殻』に限らず、今後もエウシュリーのゲームは購入してプレイしていくつもりです。近年、エウシュリーは落ちぶれているなどと批判する輩もいますが、それと同時に応援している輩もいることは、このレビューからもお分かりのことでしょう。
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